(2020年10月10日時点の記事です)
クリーンスパーク【CLSK】を知ったのは、確か今年8月でした。
Twitterでつながっているサイエンスミニオンさんがマイクログリッドについて書いているのを見て、それまでは耳にしたことがある程度だったマイクログリッドの概念を知りました。そしてその関連銘柄として、徐々に注目し始めました。
ポジションはないですが、今後の検討資料として残しておきます。
それでは、始めます。
【CLSK】企業概要
- 会社名 :CleanSpark Inc
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設立年月 :1987年10月
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セクター分類: IT・通信 (IT & Communications)
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上場市場 :NASDAQ Small Cap
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従業員数 : 20人
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ウェブサイト:http://www.cleanspark.com
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概要:クリーンスパークは米国のソフトウェア企業。エネルギー課題に向けて、プラグアンドプレイの企業向けソリューションを可能とするエネルギーソフトウェアと制御テクノロジーの開発を手掛ける。インテリジェントエネルギー監視や制御、小規模発電網設計とエンジニアリング、コンサルティング、ターンキー方式小規模発電網導入サービスなどを提供する。本社所在地はユタ州バウンティフル。(Yahoo!ファイナンスより)
- ヴィジョン:"Software That Makes Microgrids Happen." "マイクログリッドを実現するソフトウェア"(筆者訳)*ヴィジョンやミッションが見当たらなかったので、HPのトップメッセージを掲載しました。
CleanSparkの前身となる会社SmartDataCorporationは、米ネバダ州で、1987年に創立されたようです。
SmartDataの創設者のCEOの早すぎる死など不幸な出来事があり、1992年に事業運営が一度ほぼストップする事態になったそうです。
代替エネルギー分野での事業を開始したのは2014年3月。
社名が現在のCleanSparkとなったのは、2016年10月です。
【CLSK】事業概要
CleanSparkは、マイクログリッドや分散型エネルギー資源管理システムのためのソフトウェアやインテリジェント制御、革新的な戦略や設計サービスを提供するソフトウェア・サービス企業です。
つまり、マイクログリッド を実現するためのソフトウェアを開発・提案している企業です。
マイクログリッドとは?
マイクログリッドについては、こちらの記事が参考になりました。
米国におけるマイクログリッド。こちらも大変参考になりました。
https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2017/02/pdf/02Global.pdf
CleanSparkは、時価総額も小さく、情報がそこまで多くありません。また、私も専門的な
知識不足なので、一つの記事を参考にして、紹介していきます。DeepL翻訳も使いつつ。
CleanSpark: Microgrid Industry Play Could See A Minimum Of 1,000% Growth By 2035
唯一のマイクログリッド特化企業
CleanSparkは、市場に公開されている唯一、マイクログリッドに特化した企業。
ここ最近の株価上昇はめざましいですが、そのパフォーマンスを維持できれば、2035年を見据えて長期的に大きな市場シェアを獲得することができる可能性があるとの分析もあります。
マイクログリッド製品を使うことによるソリューション
動力源の監視によるリスク軽減
電力源を監視し、有害なイベント(テロや災害など)の際に機能停止のトリガーを引くように制御システムを設定することで、グリッドに関連するリスクを軽減できる。
人的コストとヒューマンエラーの減少
代替エネルギー源とグリッドのバランスを最適化するために、ソフトウェアが個々のコンポーネントを分析し24時間体制で正しい電力経路を選択する必要がある。統合されたソフトウェアの最適化は、2つの方法でさらに価値を高める。第一に、スタッフに手作業での監視を継続させる必要がなくなることによる人的コストの削減。第二に、データをより速く、より正確に分析できることによる、ヒューマンエラーの減少の可能性。
提供しているサービス
CleanSparkは、再生可能エネルギーのインフラス向けに、以下のサービスを提供しています。
- ソフトウェア(SaaS)…mVSO
- マイクログリッド用の物理コントローラ…mPulse
- コンサルティングサービス
これにより、CleanSparkのクライアントは適切なマイクログリッドプラットフォームを構築するための能力を獲得することができるそうです。
1. ソフトウェア(SaaS)…mVSO
mVSO(Microgrid Value Stream Optimizer)は、クライアントがグリッドシステム内に持つ可能性のあるすべての接続をシミュレートして分析するツール。このツールが提供する情報は、ユーザーがマイクログリッド最適化をどのように活用できるかを判断する上で重要です。
2. マイクログリッド用の物理コントローラ…mPulse
クライアントが特定のニーズを決定し、mVSOを使用してシステムを設計した後、mPulseですべてのエネルギー源の接続と監視を確立します。サイバー物理的なセキュリティが組み込まれていることで、重要な産業(例えば軍事や医療のことだと思います)に従事し、安全な製品を求めるクライアントも安心できます。
CleanSparkの技術は、すでに設置されているインフラに簡単に統合することができ、どの機器を必要とするかを問わないそうです。導入のハードルが低いのは、大きいですね。
CleanSparkのターゲット
現在のところ、CleanSparkは主に規模の大きい商業・工業企業を顧客としてターゲットにしており、次は大規模な住宅開発を取り入れることを期待しているそうです。
将来的には、プラットフォームの最適化が完了すれば、個人の住宅所有者でもこの技術を利用できるようになるかもしれないとのこと。
いつ頃にそうなるのかわかりませんが、そこまで来た時にその中心にCleanSparkがいれば、時価総額がどのような規模になっているのか、想像もつかず楽しみになりますね。
今後の見通し
再生可能エネルギーの発電容量は、少なくとも2040年まで世界的に増加を続け、2500GWから10000GW近くまで増加し、年率約6.2%とも言われているそうです。
2035 年までに、CleanSpark はマイクログリッド市場で 10%のシェアを持ち、300 億ドルのマイクログリッド市場を持つまでに成長する可能性があると予測されているようです。
私的メモ:マイクログリッドに投資したい場合の比較対象
シーメンス(OTCPK:SIEGY)やゼネラル・エレクトリック(GE)のような大規模な産業コングロマリットやシュナイダーエレクトリック(OTCPK:SBGSY)のようなエネルギーグループ
【CLSK】業績・決算
※All numbers in thousands
売上(評価:S)
年度毎の売上を見ていきます。
2017年→2018年 約44.8万ドル→約57.9万ドル(売上高成長率 約29%)
2018年→2019年 約57.9万ドル→約453万ドル(売上高成長率 約682%)
一瞬、2019年はなぜこんなに売上が急落しているのだろう?と思いましたが、よくよく見てみると、「.」を「,」と勘違いしているだけでした。真相は逆で、2019年に桁違いの売上高成長をしていたようです。
一方で、売上規模が小規模なので、今後の売上高の推移に注目をしておかねばなりません。
営業キャッシュフロー(評価:C)
年度毎の営業キャッシュフローを見ていきます。
営業CFがまだマイナスに留まっています。
2017年→2018年にかけては、若干の改善がありましたが、2019年はマイナスが拡大しています。
そこでC/Sの中身を見てみます。前年と比べ、投資CFのマイナスが大きく、財務CFが大きく膨らんでいることから、積極的な事業拡大フェーズに入っていると想像しています。
営業CFの黒字化がどのタイミングでくるのか?決算に注目したいところです。
営業キャッシュフローマージン(評価:B)
年度毎の営業キャッシュフローマージンを見ていきます。
2017年 ▲304%
2018年 ▲218%
2019年 ▲126%
一般的に15%以上あれば良いと言われることが多い営業CFマージン。
直近3年では大きなマイナスが続いていますが、成長段階には付き物かもしれません。
それよりも、毎年数字が改善されていることのほうに私は注目しています。
EPS(評価:C)
四半期毎のEPSを見ていきます。
四半期毎のEPSは、コンセンサスEPSを超えているかをチェックしています。
見ての通り、安定はしていません。ただし、アナリストの数が1人というレベルなので、あまり参考値にはならないと私は判断しています。(例えばAAPLは分析しているアナリストが30人前後はい流ので平均値が参考になります)
EPSの黒字化は短期では期待できないと踏んでいるので、今後の四半期決算を丁寧に追っていければと思います。
業績まとめ(総合評価:C)
- 売上:評価S
- 営業キャッシュフロー:評価C
- 営業キャッシュフローマージン:評価B
- EPS:評価C
この結果から、私としての総合評価はCとしました。
【CLSK】私的まとめ
業績評価は総合Cとしていますが、結論としてはマイクログリッドがどこまで拡大していくと考えているかによると思います。ありがちで面白みのない結論ではありますが。
今回出した参考記事に、2021 年末までにはプラス収益となることを前提としているというような記述も見ました。思ったより早いですね。
私は、マイクログリッド自体は普及していくのではないかと考えているので、前向きに検討していきたいなと考えています。
と、ここまで書いて、2020年9月のIR Presentationを見つけました。体力尽きたので、これについては、また詳しく見たいと思います。
投資初心者ながら、自分なりに調査したことが少しでも誰かの時短になればと思い、書きました。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。間違っているところなどありましたら、ご指摘ください。
▽CLSKは、こちらにも掲載しています