【参考記事】ゴールドマン・サックスが選ぶ、欧州グリーンディールで恩恵を受ける欧州の20銘柄

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興味深い記事があったので、じっくり読んでみました。

www.cnbc.com

 

読んだついでに20銘柄をザーッと調べたので、概要を追記したものをシェアします。

 *はっさくさんに教えていただいた記事です。ありがとうございます!

*英語翻訳については、DeepLを使いつつ調整を加えています。

*銘柄の補足情報は、私が調べた情報で記事に書いているものではありません。

*企業HPへのリンクは、日本サイトではなくグローバルサイトに統一しました。

 

 

記事の概要

グリーンな未来を推し進める欧州の戦略に乗っかるための20の銘柄を、ゴールドマン・サックスがピックアップしたという記事です。2020年7月10日に公開されています。

ゴールドマン・サックスは、2050年までに気候ニュートラルを目指す欧州連合EU)の計画(=欧州グリーンディール)はEU経済を抜本的に改革すると見ており、この変化の局面において特に恩恵を受ける、良いポジションにいる地域企業(regional companies)を20社挙げています。

nyseryl.hatenablog.com

ゴールドマンのアナリストは、

  • 欧州グリーンディールは保守的に見積もっても7兆ユーロ(7.9兆ドル)の費用がかかる
  • 「電力インフラ、ビルの改修、自動車、産業への大規模な投資の波」によって短期的なGDPと雇用を押し上げるだろう

と考えているようです。

 

Utilities 公益事業

ゴールドマンのアナリストによる、公益事業の見立て

  • EU加盟27カ国の国家エネルギー計画(NEP)(EU圏の2030年脱炭素化目標達成に向けた各国の行動計画)による設備投資の増加により、欧州の公益事業会社の収益が予想よりもはるかに早く急増する可能性がある
  • NEPsは欧州のクリーンインフラ(再生可能エネルギーとネットワーク)の設備投資を現在の実行率と比較して約65%加速させることを示唆しており、2021年時点では「目に見える効果」があると予測している
  • 当行の「クライメート・チャンピオン」グループ(恐らくゴールドマンがピックアップしている厳選された銘柄グループのこと?)の一株当たり利益(EPS)は2020年から2030年の間に年率約9%の成長を見込んでおり、設備投資の加速がモデルよりも早ければ15~20%に達する可能性がある

公益事業の推奨銘柄

1. Enel (イタリアの多国籍エネルギー会社)

かつては国営会社で現在は民営化。2019年の株式時価総額ヨーロッパの公益企業中で首位。本社はローマ。 BIT(イタリア証券取引所): ENEL

2. RWE(ドイツ第二位の電力会社)

E.ONに次ぐドイツ第二位の電力会社。再生可能エネルギーによる発電で世界最大規模を誇る。2019年に日本法人が設立されたそうで、主に洋上風力プロジェクトを手掛けていく模様。本社はドイツのエッセン。FWB(フランクフルト証券取引所): RWE

www.jetro.go.jp

3. Iberdrola(スペインの電力会社)

スペイン最大級。再生可能エネは風力がメイン。本社はバスク州ビルバオ。 BMAD(マドリッド証券取引所): IBE

4. EDPポルトガルのエネルギー企業)

電力事業や天然ガス事業を行うエネルギー企業。世界14カ国に事業拠点。本社はポルトガルリスボン。Euronext(ユーロネクストリスボン): EDP

5. EDP​ ​Renewables(EDPのスペイン子会社)

風力メイン。本社はスペイン・マドリッド。Euronext(ユーロネクストリスボン): EDPR

6. Orstedデンマーク多国籍企業、電力会社)

風力発電を中心に世界10カ国以上で事業を展開。株式の過半数デンマーク政府が保持。本社はデンマーク・フレゼリシア。2019年に日本法人設立。OMX:ORSTED

7. SSE(英国の電力・ガス会社)

Scottish and Southern Energy。イギリスとアイルランドで、電力およびガス事業を行う持株会社再生可能エネルギー事業者としてはイギリス最大。本社はスコットランド・パースに本拠。LSE(ロンドン証券取引所): SSE

 

Transport 交通機関

ゴールドマンのアナリストによる、交通機関の見立て

  • 自動車産業と運輸部門は、主要国がインセンティブや廃車制度を含めた業界再編への多額の投資を行っていることから、グリーン投資の恩恵を受ける可能性がある
  • フランス政府は自動車産業に対して80億ユーロの支援策を打ち出しており、その中には内燃機関車ではなく電気自動車の需要を喚起するための10億ユーロ以上の支援も含まれており、ゴールドマンはこれに基づいてルノーに「買い」の推奨を出している
  • 鉄道ネットワークのアルストム社も、政府の景気刺激策と欧州の国内鉄道自由化を考慮して推奨されている
  • フォルクスワーゲンがグリーン革命で市場シェアを獲得する準備ができていることを示唆している。その理由は、電気自動車を展開する同業他社よりも「オールイン」のアプローチと、バッテリー式電気自動車に重点を置いているから
  • VWのアプローチは、今後数年間で大きな競争上の優位性を生み出す可能性を秘めている

交通機関の推奨銘柄

8. Renault(フランスの自動車製造会社)

言わずと知れたルノー。 グループ傘下には、日産自動車など。世界最大の自動車会社。本社はフランス・パリ近郊のブローニュ=ビヤンクール。Euronext(ユーロネクスト・パリ): RNO

 

9. Alstom(フランスの多国籍企業鉄道車両製造など)

鉄道車両の製造をはじめとして、通信・信号・メンテナンスなど、鉄道に関連する総合的技術およびソリューションを提供する重電メーカー。ボンバルディア・トランスポーテーションシーメンスと並ぶ、鉄道車両ビッグスリーの一社。世界の2割強のシェア。本社はパリ近郊のサン=トゥアン。Euronext(ユーロネクスト・パリ): ALO )。

 

10. Volkswagen(ドイツの自動車製造会社)

こちらも言わずと知れたフォルクスワーゲン。傘下にポルシェなど。本社はドイツのニーダーザクセン州ヴォルフスブルク。FWB(フランクフルト証券取引所): VOW

11. Hella(ドイツの部品サプライヤー

世界35か国余り、100以上の拠点を持つ同族経営の企業。自動車業界におけるライティング技術、電子部品およびシステムを開発・製造。本社はドイツのノルトラインヴェストファーレン州リップシュタット。ETR: HLE

12. Umicore(ベルギー、電気自動車用の正極材を製造)

貴金属・レアメタルなど非鉄金属の精錬・加工・リサイクル事業を行うメーカー。世界20カ国以上に拠点。本社はベルギー・ブリュッセル。日本法人もあり。Euronext(ユーロネクストブリュッセル): UMI 

Building and infrastructure 建築・インフラ

ゴールドマンのアナリストによる、交通機関の見立て

  • グリーンディールは、政府が建物のエネルギー効率を高めるための投資を行うことで、リフォーム(リノベーション)の波をもたらすと期待されている
  • スイッチとソケットの世界最大のプロバイダーであるフランスの工業グループLegrandは、そのEBIT(=Earnings Before Interest and Taxes、利息及び税金控除前利益)の40%以上が欧州の建築物に投資されていることから、主要な受益者として注目している
  • 通信ケーブルは「業界のグローバル化を含むオフショア風力発電接続の増加」により、過去 20 年間よりも強い成長が期待されている
  • 業界の稼働率の向上と市場シェアの優位性により、高電圧セグメントの利益率も向上すると予想される

交通機関の推奨銘柄

13. Legrand(フランス、スイッチとソケットの世界最大のプロバイダー)

世界90か国以上に拠点を持つ電気機器メーカー。本社はフランス・リモージュ。Euronext(ユーロネクスト・パリ): LR

14. Rexel(Legrandの主要ディストリビューターの一つ)

フランスで電気用品を販売する。本社はフランス・パリEuronext(ユーロネクスト・パリ): RXL

15. Saint-Gobain(フランスの各種建築材料・高機能材料を製造する多国籍企業

1665年にフランスで設立された王立鏡面ガラス製作所が起源。各種建築材料や高機能材料を製造する多国籍企業。CAC 40の構成銘柄の一つ(*CAC40=ユーロネクスト・パリにおける株価指数時価総額上位40銘柄を選出して構成。時価総額加重平均型株価指数。)本社はフランス・パリ近郊のラ・デファンス。Euronext(ユーロネクスト・パリ): SGO

16. Vinci(フランスの建設会社)

世界100カ国に進出。世界第4位の建設会社。建設事業に並ぶ柱がインフラ運営事業。本社はパリ郊外のリュエイユ=マルメゾン。Euronext(ユーロネクスト・パリ): DG

17. Covestro(ドイツの素材化学分野の化学品メーカー)

ポリウレタン原料やポリカーボネートを中心に取り扱う。世界約30カ国に生産拠点を持つ。本社はドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州レーヴァークーゼン。日本法人もあり。

18. Vestas Wind Systemsデンマークの風力メーカー)

風力発電機の設計、製造、販売会社。2003年に世界最大の風力発電機メーカーとなるべく、デンマークのNEG Micon社と合併して誕生。風力発電機は世界63ヶ国で導入。洋上風力発電の開発にも積極的。日本法人もあり。本社はデンマークのオーフス。NASDAQ OMXコペンハーゲン:VWS

19. Prysmian(イタリアの通信ケーブル会社)

世界50カ国以上に拠点を持つ。傘下企業を併せたグループでの電線の売上は、世界最大の規模。本社はイタリア・ミラノ。BIT(イタリア証券取引所): PRY

20. Nexans(フランスの通信ケーブル会社)

アルカテルグループの産業、建物及びデータ伝送のローカルエリアネットワークインフラを製造する総合電線メーカー。 電線業界では、Prysmianに次ぐ世界2位。本社はフランスのパリ。Euronext(ユーロネクスト・パリ): NEX

 

以上です。

私が見た限りだと、20社とも米国のADR株はないように思います(もし読んだ方で間違いに気づいた方は教えていただけると幸いです)。

ほとんどが、私の知らない企業でした。やはり、GAFAやVisaやKOなどのように、消費者として直接関わる企業とは違い、一から調べる必要があるので、なかなか骨が折れます。

今後、欧州グリーンディールが欧州・または米国の企業にどのように影響を拡げていくのか、調べていく上での参考にしたい(指針の一つになる)記事でした。

 

<こんな記事も書いてます>

 欧州グリーンディールについて、ネット上にある公式ドキュメントや様々記事から、概要をまとめています。

nyseryl.hatenablog.com

 米国株のクリーンエネルギー 関連銘柄を、時価総額順に並べています。随時更新中。

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