数あるクリーンエネルギーETFの中から、ICLNとPBDを比較して紹介します。
以下の表は、米国市場で取り扱いのあるクリーンエネルギー ETFの総資産額TOP8です。
ETFdatabaseというサイトに掲載されている、2020年7月末時点の表です。ICLNは1位、PBDは6位に位置しています。
私がメインで使用している楽天証券でも【ICLN】と【PBD】の取扱があります。
ICLN(iシェアーズ グローバル・クリーンエネルギー ETF)
概要
ファンド概要
ICLN:S&Pグローバル・クリーンエネルギー株指数に連動する投資成果を目指す。エネルギー、工業、テクノロジー、公益事業の中型株を中心に保有する。時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定。 (Bloombergより)
PBD:WilderHill New Energy Global Innovation指数に連動する投資成果を目指す。対象は、クリーンな再生可能エネルギーの促進および保持事業に従事する世界各地の上場株式。マルチファクター・スクリーニングのアプローチを採用。四半期ごとにリバランス、再構成される。(Bloombergより )
インデックス対象指数
PBD:ワイルダーヒル・ニュー・エナジー・グローバル・イノベーション指数
指数について、詳しくはリンク先を参考にしてください。
設定年
ICLN:2008年6月
PBD:2007年6月
ほぼ同じ時期に設定されています。いずれも10年以上経つので、償還リスクは高くはなさそうです。
経費率
ICLN:0.46%
PBD: 0.75%
経費率も、ICLNが有利です。結構差が大きい印象です。
純資産総額
ICLN:$926.51M(9億2,651万ドル)
PBD:$77.46M(7,746万ドル)
※SPYは287.61B(2,876億ドル)、VOOは$153.09B(1,530億ドル)。圧巻!
ICLNが一歩も二歩もリードしており、PBDの10倍以上の規模を誇ります。冒頭で紹介した表でも、2位のPBWに二倍以上の差をつけてトップに君臨しています。
1日あたりの平均出来高
ICLN:$10.17M(1,017万ドル)
PBD: $234.54K(23万4,540ドル)
ICLNがPBDの40倍以上。大きな差があります。
組入銘柄
組入銘柄数
ICLN:32銘柄
PBD: 88銘柄
PBDが、より多くの銘柄に分散されています。
組換回数
調査中…
地域・セクター
地域別保有割合
ICLN:
PBD:
比較すると、ICLNは米国比率が高く、PBDは分散されている印象です。
ICLNは、米国の比率が4割を占めるのが特徴です。ヨーロッパは約3割を占めます。アジアの比率はPBDと比較しても高くなく、日本に至っては0%です。
PBDは、米国の比率が3割以下に抑えられ、ICLNよりも分散がきいていると言えるでしょう。アジアの比率も高くなり、日本も5.86%含まれます。
セクター別の割合
ICLN:
PBD:
一目瞭然。地域別保有割合と同様、PBDのほうがよりセクターが分散されています。
ICLNは、再生可能エネルギー機器・サービスと電気事業で8割以上を占めます。
一方で、PBDはセクター数が多く、上位3つを合わせても5割程度に止まっています。ICLNにはない半導体や、車・トラックメーカーが入っているのも特徴です。
保有上位10銘柄
ICLN:
PBD:
上位10銘柄を見ても、ICLNが集中、PBDが分散、という構図がわかります。
ICLNは、上位10銘柄で約半分を占めますが、PBDでは17%程度にすぎません。PBDは、今をときめくTESLAや、同じく電気自動車メーカーのNIO(中国・ADR)も上位に組み込まれています。
リターン
直近1年の分配金利回り
ICLN:0.94%
PBD:1.46%
PBDが上回っています。
トータルリターン(パフォーマンス)
ICLN:
PBD:
短期:直近では、PBDに分があります。1〜3ヶ月リターンで見た場合は、ほぼ同じ水準。年初来リターンではPBDが5%高く、1年リターンでもPBDが12%高くなっています。
中期:3年リターン、5年リターンでは、特筆するほどの差は見られません。
長期:10年リターンでは、ICLNが1.05%、PBDが4.63%と少し差があります。
まとめ
資産額と出来高の規模・経費率の低さならICLN。
分散を重視するならPBD(銘柄数・地域・セクターの分散がきく)。
私は現時点では両方のポジションを持っていますが、個人的な好みとしては分散性を重視してPBD寄りです。
ただ、ICLNの規模の圧倒的巨大さは、それだけで十分すぎるほど魅力的ではあります。
今後も、情報更新していきます。